『Nord〜北へ』回想(前編)

12月3日、夜。初の函館ライヴでの自分の出番を終え、近藤さんがセッティングをしている間に火照った身体を冷まそうと外に出た。ふと空を見上げたら月が出ていたので写メを撮り、「歌い切った」とツイートした。何の気なしに撮ったあの時の月がスーパームーンと呼ばれる今年一番眩しい満月だということを後で友人から聞いた。

旅をしている間ずっと、自分の中に何かが「満」ちていくのを確かに感じていたし、遠征編最終日の函館ライヴでそれを歌として出し切ることが出来たと思った。一番眩しい「満」月の夜に持てる全てを出し切ったと思えたこと。そして函館でのライヴがククムの最多動員で「満」席だったこと。それらは単なる偶然なんだろうか。

函館ライヴの二日後、ツアーファイナルの阿佐ヶ谷harnessで旅に出る前夜に作った曲を歌った。前もって組んでいたセットリストを放棄し、考えに考え抜いて、当日の昼にようやくセットリストが決まった。今回の旅を締め括るには新曲こそが相応しいと思い、セットの最後に歌った。旅をする間に自分の中で少しずつ「満」ちていったものを新曲として形に出来たこと。これも偶然なのだろうか?

「弘前でのレコーディング、上手くはいかなかったようですが、僕は最近、全てはプロセスであると思っています。自らボツにしたことは、それ以上のモノを作るために必要だったプロセスで、そのきっかけを与えてくれたんだと思いますよ。」

今回の札幌ツアーのきっかけを作ってくれた函館panの森の浜野さんにお礼のメールを送り、浜野さんから返ってきたメールに上記の一文があった。そう、その通りだと自分も思った。

近藤さんとSimon And Garfunkelの曲を沢山カヴァーすることで新譜収録予定曲のコーラスワークをもっと練らなければと思ったこと。函館ライヴのお客さんで3年前の青森での『俺たちの旅』を観たという方が「同一人物と気付かなかった。歌が前に聴いた時と全然別物だった」と語っていたと聞いて、ひたすらライヴに打ち込んできたここ数年が報われたように感じたこと。函館ライヴの終演後に近藤さんが自分に語ってくれたこと(何を語ってくれたかは秘密)。そしてツアー中に新しい曲が生まれたこと。etc・・・。

今回のツアーで感じたこと、得たものは新譜制作のために必要な最後のピースだったんじゃないだろうか。弘前でのレコーディングが上手くいかなかったのはきっと必然で、あの時点ではまだ完全には機が熟してはいなかったんだろう。今回のツアーは新譜を作るために必要な最後のひと欠片を見つける旅だったんじゃないだろうか。浜野さんの言葉はそうした自分の考えを裏付けてくれるものだった。

ツアーを終えて数日経ったけれど、余韻が強くて未だ少しぼんやりしてる。でもそろそろ次へと踏み出さなきゃいけないね。

今年最後のライヴは自分のホームである阿佐ヶ谷harnessでの月一ワンマン第64回目。ツアーで感じたこと、得たものをしっかり咀嚼し、自分の血肉とし、歌い尽くすこと。来年のレコーディング再開に向けて、悔いの残らぬライヴをします。

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